【書評】具体と抽象 世界が変わって見える知性のしくみ

読書

こんにちは!クラログです。

今回は「具体と抽象」という本について紹介します。

なんだかこの不思議なタイトルに惹かれて購入しましたが、とても面白い内容だったのでご紹介します。

本書を読むことで具体と抽象の概念の整理とそれぞれのメリットとデメリットを理解することができます。

この本がおすすめの人
  • 抽象概念を扱う思考力を高めて、発想力や理解力を向上させたい人
  • 部下や上司など周囲の人とのコミュニケーションギャップに悩んでいる人

「具体と抽象」の概要

著者は細谷功さん。東京大学工学部を卒業後東芝を経てビジネスコンサルティングの世界へ。

問題解決や思考に関するセミナーや講演を多く行っています。

本書は4コマ漫画や図も豊富に使われており、読みやすい構成になっています。

現代では常に「わかりやすさ」が求められていて「具体的であること」が良いとされています。

実際、私も本を読むまでは「抽象的」であることは悪いイメージを持っていました。

しかし、抽象概念を正しく学ぶことで、具体の世界でしか生きられていない人が抽象化と具体化をセットで考えていく方法を知ることができます。

抽象化のメリットとは?

抽象化とは文字通り「特徴を抽出する」ことです。

要は様々な特徴や属性を持つ現実の事象の中から、ほかの者との共通の特徴を抜き出して、ひとまとめに扱えます。

抽象化できることで、複数の事象の間に法則を見つけたり、それに名前を付けて法則としてほかのモノに応用が利かせられます。

これが抽象化の最大のメリットです。

具体レベルに生きる人はすべてが違って見える

抽象度の高い概念は見える人にしか見えません。

つまり具体レベルで生きる人には、抽象概念が見えている人には同じことが全く違うことに見えるということです。

例を一つ上げると、話がコロコロ変わると思われている人がいたとします。

「具体と抽象」の概念から考えると、聞いている側が具体レベルでしか相手の言うことをとらえていない場合が多いのです。

コミュニケーションにおいては、相手には見えていない抽象概念があることを理解して話をする必要があり、

話を聞くときには自分には見えていない抽象概念があるかもしれないと頭に入れておかなければなりません。

目標達成には具体と抽象の階層化が必要

理想的な目標設定は具体レベルと抽象レベルを階層化させ、つながった目標にすることです。

具体的な目標とは、明日、来週などすぐに行動可能なもの。これに対して抽象的な目標は「人生を通して医療に貢献する」というように

長期的で壮大である代わりに、実行のイメージからは遠くなります。

つまり、抽象的な目標設定だけでは数値などの具体性が一切ないために後になってから達成したかどうかの判断が難しいのです。

これが抽象的が嫌われる典型的な事例です。

逆に具体的な目標だけでいいのかと言われるとそうでありません。

本来自分が達成したかった姿から離れていってしまったり、今やっていることが本当に必要か判断に時間を取られるようになります。

抽象的な目標から具体的な目標へと階層化して、具体と抽象の往復を行うことで自分がすべきことが見えてくるのです。

本記事のまとめ

本書を読んでからは「具体と抽象」をセットで考えるようになり、思考がすっきりした感覚があります。

仕事を任されたとき、自分から人に何かを頼むとき、計画や目標をたてるときなど活かせる場面が多いと感じています。

ぜひ皆さんも読んでみてください。

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