【書評】失敗の科学

読書

こんにちは。クラログです。

今回は【失敗の科学】という本を参考に、失敗に正しく向き合い、学習し、成長していく方法を書いていきます。

「失敗から学ぶ」なんて当たり前だし、もうやってるよ!と思うかもしれません。

しかし、失敗に対して正しく向き合えているケースはそう多くありません。

そもそも失敗から目を背けてしまっていたり(または失敗に気づいていない)、ミスを誰かのせいにして片づけてしまったりしていないでしょうか?

本記事では失敗に正しく向き合い、学習し、成長する方法を紹介していきます。

本記事を読んでわかること
  • なぜ失敗に向き合えないのか
  • 失敗との正しい向き合い方
  • 失敗を成長につなげるマインドセット

失敗から学習する組織と学習できない組織

会社や組織は大きく失敗から学習できる組織とできない組織に分けられます。

この二つの違いは組織が「オープン・ループ」か「クローズド・ループ」かによって生じます。

「オープン・ループ」とは失敗が適切に対処され、学習の機会や進化がもたらされる状態です。

例えば、何かミスを起こしたときに素早く全員にそのミスが共有され、原因を突き止め、再発しないように適切な具体策がなされるなどです。

航空業界では、あらゆる細かなミスやトラブルがすべて記録されており、その情報を全パイロットがいつでも閲覧して学習できるようになっており、「オープン・ループ」である良いケースとされています。

一方、「クローズド・ループ」は失敗や欠陥にかかわる情報が放置されたり、曲解してされたりして進歩につながらない状態のことです。

例えば、失敗を起こした際に隠されて共有されない、正しく振り返ら原因にたどり着かなずに放置してしまうなどです。

失敗から学習する組織でいるためには「オープン・ループ」の状態を作り出す必要があります。

失敗になぜ向き合えないのか

失敗に向き合えない理由は3つあります。

  1. あいまいなゴール設定
  2. 人への非難
  3. 自分への自信

それではそれぞれ説明していきます。

あいまいなゴール設定

明確な数字や、到達したか確認できる具体的なゴールを設定することが重要です。

あいまいなゴール設定をしてしまうと、そもそも失敗かどうかが振り返れません。

また、あいまいなゴール設定は最初から失敗の逃げ場を用意していることになってしまいます。

まずは失敗かどうかを振り返れる明確なゴール設定を心がけましょう。

人への非難

組織で何かに失敗したときに起こりがちなのは「誰かのせいにする」です。

その人に失敗をすべて押し付け、懲罰を与えることで問題を解決したことにしてしまいます。

しかし、本来やらなければいけないことは「なぜその人が失敗したのか」を突き詰めることです。

「誰かのせい」にすることで失敗と向き合うことから逃げてはいけません。

自分への過剰な自信

3つ目は、「自分は絶対に間違っていない」という自分への過剰な自信から失敗を認められないことです。

なぜなら自分への自信が過剰だと、「自分は正しいことをしていた。だから失敗ではなくそれはしょうがなかったのだ」と自分で納得したり、全く関係ない他の要因を失敗の理由にしてしまうからです。

例えば、サッカーチームの監督をやっていて試合で負けたとします。その時に自分への自信が過剰な人は「自分にやれることはやったし、最善の戦略で臨んだから運がなかった」と試合を振り返りません。

本来であれば、「準備していた戦略が間違っていたのか?選手のコンディションの調整に問題があったのか」と成長への気づきを得られる機会だったはずが、それを失ってしまいます。

自分の思い込みが失敗に向き合えなくするのです。

失敗から学習するために

失敗から正しく学習するために意識すべきことは3つです。

  1. フィードバックが得られる仕組みづくり
  2. 目に見えないデータの認識
  3. 批判的な見方

フィードバックが得られる仕組みづくり

まず重要なのはフィードバックが得られる仕組みづくりです。

なぜなら、何かに挑戦しフィードバックを得ることで失敗と認識し学習することができるからです。

例えば、ゴルフで的に向かって打つと練習をするとします。

そうすると飛んでいった球をみることでフィードバックを得られ、的に近づけるために角度や強さを調整することが可能です。

しかしこれが暗闇でやっていたとしたらどうでしょうか。

おそらく何年やっても上達することはありません。それはボールがどこに行ったか分からず改善のデータがないからです。

熱意やモチベーションだけではなく、間違いを教えてくれるフィードバックを得る方法を探しましょう。

常に自分の間違いがチェックされてその結果がわかる状態でいることが学習に欠かせないのです。

目に見えないデータの認識

失敗から学習するときには目に見えないデータについても考慮しなければなりません。

目に見えないデータとは反事実ともいえます。

反事実とは、「仮に○○をしなかったらどうなっていたか」という、実際には起こらなかった「たら・れば」のシナリオのことです。

要するに、何かを行った結果を検証する場合には、何かを行わなかったときのことも検証しなければなりません。

例えば、サッカーの練習を守備にフォーカスして行った結果、失点が減ったとします。

その時に「この方向は正しい、もっと失点を減らすためには守備のこの部分を改善しよう」となってしまいます。

しかし、この時も「攻撃にフォーカスした練習をしていた場合はどうなっていたか」も考慮に入れる必要があります。

もしかしたらその方が守備が向上し、失点が減っていたかもしれません。

このように常に目の前で起きていない事にも気を配るべきです。

批判的な見方

失敗から正しく学習するために必要な3つ目は批判的な見方です。

なぜなら人間は自分が正しいと思ったことを証明しようとしてしまうからです。

自分が正しいと思う仮説の検証のみを繰り返し、納得できていない仮説やチャレンジを避けてしまうだけでなく、検証の結果を自分の都合の良いように捉えてしまうことも多いです。

常に「自分の仮説は間違っている可能性がある」と批判的な見方を忘れないようにしましょう。

失敗を成長に繋げるマインドセット

失敗を成長に繋げるために必要な心がけは3つです。

  1. 成長型マインドセットを身につける
  2. 考えるより間違えろ
  3. 一発逆転より百発逆転

成長型マインドセット

人間には失敗した時の反応として二種類あり、それは固定型マインドセットの人と成長型マインドセットの人によって違います。

失敗から学習して成長するには成長型マインドセットを身につけなければなりません。

成長型マインドセットの人は、知性も才能も努力によって伸びると考えます。失敗は成長に欠かせないモノであると。

一方、固定型マインドセットの人は知性や才能はほぼ固定的なモノであり、変えることはできないと考えています。

まずは自分を成長型マインドセットにしましょう。

考えるな、間違えろ

「考えるな、間違えろ」とはじっくり考えた末に一つ行動するより、まずは行動して失敗を重ねた方が良いアウトプットが早く生まれるという考え方です。

つまり、質より量が良い成果を生み出すということです。

皆さんも考えれば考えるだけ良いアウトプットが生まれると思っていませんか?

この思考に陥ってしまうのは、完璧主義的な考えと失敗への恐怖が原因です。

最初から完璧は難しい、そして失敗は成功に欠かせないモノであると忘れずにあらゆることに挑戦していきましょう。

一発逆転より百発逆転

複雑な問題や大きな目標に向かう時に、失敗をうまく検証できない場合が出てきます。

なぜなら多くの要素が絡み合っており、何が原因で失敗につながったのかわからないからです。

そのような時に、何か一つに原因を特定しようとしてしまうことが間違いです。

複雑な問題の解決、大きな目的の達成に取り組む時は、多くの要素を一つずつ細かく分けていき、各要素の検証を重ねていくのです。

一つの大きな改善により成果が生まれるわけではなく、幾つもの小さな改善の積み重ねが最終的に大きな成果となって現れるのです。

本記事のまとめ

以上、失敗との向き合い方やマインドセットを紹介してきました。

私はアクションプランとして以下を行動に移そうと思います。

  • フィードバックの機会を作るために、行動した後に必ず振り返りを行う
  • 振り返りの際には要素を細かく切り分け、一つづつ小さな改善を意識する
  • 起きた現象だけではなく、起きなかった現象も見ていく
  • 失敗を誰かのせいにしない。そのミスの原因を究明し共有する

人生は失敗の連続です。ぜひ皆さんも読んでみてください!

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